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フードディフェンス

a フードディフェンス

フードディフェンスに関してBSI( British Standard Institute )がまとめたPAS96:2010は、国際的な食品安全規格の食品製造工場の安全指針に取り入れられています。

PAS96:2010では、①脅威の分析②人的セキュリティ③製造施設へのアクセス管理④付帯施設へのアクセス管理⑤車輌の管理⑥原料へのアクセス管理⑦製造ラインへのアクセスの管理⑧脅威からのリカバリープラン⑨安全管理体制・施策の監査と見直し が系統立ててまとめられています。

① 脅威の分析

自社の製品、製造施設、組織が脅威のターゲットになり得るものとして、それぞれの公正要素を評価検討する必要があります。 管理者は疎外感を感じている従業員・元従業員、政治・思想団体、競合企業、マスメディア、テロ集団、反社会組織に関して注意を払い、下記の観点から脅威を分析します。

■ 製品に関して

  - 自社の製品は特定の宗教・倫理・モラル上、特定の人々にとって重要なものか?

  - 自社の製品は一般的に流布する食品の原料として使用されるか?

  - 自社の製品は海外からの原料を含んでいるか?

■ 施設に関して

  - 自社の施設は政治的に社会的に微妙な地域にあるか?

  - 自社の施設は社会的に問題のある近隣と道路・上下水道等のライフラインを共有しているか?

  - 自社施設へのライフライン入口は適切に安全確保されているか?

  - 施設外のライフライン供給施設の安全確保はなされているか?

  - 自社の施設に、悪意のある者達に有用な危険物質は保管されているか?

  - 自社の施設が位置する地域は多数の人々が利用する地域か?

■ 業務に関して

  - 会社は国際的紛争を抱えた国の企業・人により所有されているか?

  - 会社は有名人を組織のトップもしくは所有者としているか?

  - 会社は不安定な宗教もしくは国地域と強い繋がりがあるか?顧客もしくは供給地域としているか?

  - 会社の社名・製品ブランドが議論になったことがあったか?

  - 会社もしくは顧客が社会的に重要な人達もしくはイベントに製品を供給しているか?

  - 自社の製品に対して、顧客から・社会的に安全管理要求があるか?

② 人的安全管理対策

■ 採用前の注意事項

不正行為を行う者は食品製造ラインへのアクセスの知識のある者だと言われています。食品製造ラインに従事する従業員の特徴として比較的短期間労働者であり、会社は頻繁に採用を行う必要があるため、その管理が難しく脆弱性があると言えます。採用前のスクリーニングに関してはBS 7858:2006を参照してください。食品製造現場の従業員・関係者は信頼がおける人であることを前提としており、特に警備担当、入荷管理者、包装管理者、エンジニア、製造管理技術者は製造の安全に重要な役割を果たす者として、組織的に評価によりその業務が定義され、適切な記録による厳格なスクリーニングによりその職務を与えられる必要があります。

■ 不定期従業者の管理

パート、アルバイト、派遣従業員等の不定期従業員でも、従業員同様の管理が必要です。派遣社員の場合は、派遣会社に安全管理を求め、契約書に安全管理義務を謳います。

■ チームスピリットの醸成

管理者は阻害され仕事に幻滅した従業員は非協力的であったり、他者の非協力的態度を見逃しがちだと理解するでしょう。その様な従業員を創らないように、管理者は相互の信頼とチームスピリットを醸成し、従業員の異常行動を報告する環境づくりに努めます。又、管理者は自らや信頼出来るスタッフが悪意のある従業員の抵抗や嘘を受け入れ安いことを認識し、異常行動にどう対処するか検討し、対処方法を提示する必要があります。

 

③ 製造施設への外部からのアクセス管理

製造施設への人・車輌・原料の進入は業務として制限する必要があります。フェンスによる進入制限、警備システム等は侵入が発生する場所での明確な対策となります。監視カメラシステム、常駐監視員、外灯により不正侵入を監視します。

外周のセキュリティ管理や害虫対策も施設の設置箇所によっては検討する必要があります。

 

ボラード:通路で車輌の制限を行う目的で設置される杭状のもの
外周フェンス

外灯

監視カメラ

■ 車輌のアクセス管理

通常業務車輌の出入りはアクセスポイントで進入管理されます。進入路では通行の可否管理が行えるように速度制限を行います。運転手は事前に来訪のアポイントを取る必要があります。(アポイントの無い車輌は通過させません。)入荷責任者は伝票と入荷物を確認します。車輌管理者は緊急車両を使用した不正侵入の手口があることに注意する必要があります。

■ 人のアクセスポイント管理

入退室管理システムによる人のアクセス管理を行います。原料保管庫、製造ライン等の重要設備・施設への入退室管理はより厳格にする必要があります。車輌同様、アポイントの無い人のアクセスは許可しません。

 

■ 来訪者のスクリーニング

原則として、来訪理由の明確な来訪者のみ施設への進入を許可します。明確な許可の無い突然の来訪者の進入は許可されません。来訪者には、(必要に応じて)身分の証明を依頼し、来訪記録を保管します。

 

■ 許可の無い来訪者の認証

従業員、来訪者の確認(認証)は徹底的に行われなくてはなりません。会社ロゴの入ったユニホームや社員証での確認などです。ユニホームの保管には最新の注意を払い、退所者からは直ちに、ユニホーム・社員症等を返還させます。従業員に対して侵入者を注意深く監視し、報告するよう教育し、勧奨します。適切に監視されれば、監視カメラシステムも有用です。侵入者を検知した場合、直ちに警察に通報します。

 

■ 配送品の管理

郵便、宅急便等での危険物の搬入を防ぐには、製造施設外部での集中的な受け取り管理も有効です。

 

■ 携帯電話等の持ち込み制限

携帯電話、スマートフォンのカメラによる製造施設の安全管理施策の漏洩は、不正侵入の手助けになりリスクを増大させます。管理者は従業員・来訪者の携帯電話・スマートフォンの施設内持ち込みを制限します。

④ ライフラインへのアクセス管理

電源、燃料、ガスライン、飲料水、排水、通信システム、冷凍・冷蔵システム、洗浄システム等のライフラインの安全管理も重要です。管理者は不正な施設内ライフラインシステムへのアクセス制限をする必要があります。

      

⑤ 駐車車輌の安全管理

駐車車輌の安全管理を行い、不正使用させないように配慮します。

⑥ 原料・包装資材等へのアクセス管理

食品と包材の安全な保管は異物混入のリスクを減らします。保管室への入退室管理、大量輸送する原料の確認可能な封印が推奨されます。製品ラベルの安全管理は模造品・偽装品対策に必要です。洗剤・消毒液の管理は厳密に行う必要があります。従業員の私物保管ロッカーも、製品への異物混入を防ぐ為にも必要です。

 

⑦ 製造プロセスへのアクセス管理

全製造プロセスへのアクセス管理を総括します。

■ 管理システムへのアクセス管理

製造管理システム、ERP等の情報システムの安全管理を行います。情報システム安全管理に関しては、ISMS等のセキュリティガイドラインを参照してください。

■ 原料の管理

使用する原材料の安全な品質管理は重要です。供給業者の安全管理体制にも注視する必要があります。

■ 製品のシーリング

開梱を確認できるシュリンクパック等の包装資材でのシーリングが必要です。

■ 原材料入荷管理

入荷担当者は、搬入車輌が正当か、納品物が適切か、包材に破損が無いか、センサー等での原料スクリーニングを行っているかも必要に応じて行います。 又、不適切・悪意のある使用を防ぐ為に、包装資材が適切に廃棄されているかの確認も重要です。

■ 品質管理

もちろん、日常的な品質管理の重要性は言うまでもありません。

 

⑧ 脅威からのリカバリープラン

事業継続計画(BCP)の策定が重要です。緊急・機器対策を計画します。緊急連絡先リストを用意し、全従業員に緊急時用訓練を行います。上流・下流の追跡システムを用意します。異物混入製品の廃棄方法も検討します。これらの対策は継続的に見直しされ、是正される必要があります。

 

⑨ 安全管理体制・施策の監査と見直し

違反もしくは違反と疑わし事象は直ちに指定された管理者に報告される必要があります。管理者は常に、公的ガイドライン、外部の意見を注視し、安全管理に反映させます。